アートの中に入り込む、新しい京都ステイ「クマグスク」

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アートの中に入り込む、新しい京都ステイ「クマグスク」
 「展覧会の中に泊まる」。アート好きのそんなわがままをかなえてくれる、ハイブリッドなホステルが京都の西・四条大宮にあります。一見ギャラリーのような現代的な外観が目を引く「京都アートホステル クマグスク」は、現代美術アーティストとして活動する矢津吉隆(やづ・よしたか)さんが代表を務めるアートホステル。客室はもちろん、ロビーや廊下にいたるまで、建物内のさまざまなところにちりばめられたアートが、宿泊者を芸術と日常のパラレルワールドへと引き込んでくれます。
 
 「クマグスク」の始まりは、「瀬戸内国際芸術祭2013 小豆島 醤の郷+坂手港プロジェクト」に矢津さんが参加した際、香川県小豆島の坂手観音寺の元宿坊をセルフリノベーションした、3カ月間限定の宿泊型アートスペース。一般鑑賞と宿泊者をともに受け入れ、島にも旅人にも開かれたアートの形を提案しました。この経験が元になり、以前から構想のあった京都でのアートホステルが実現。街全体が古典や伝統工芸の美術であふれる京都において、現代のアートにも敏感でありたい旅行客の心をつかんでいます。
 
 築70年ほどの古い京町家をリノベーションした空間は、京都によくある町家ゲストハウスとは一線を画すデザイン。大阪を拠点とする建築設計事務所「dot architects(ドット・アーキテクツ)」や、工芸と建築の関わりを試みる「工芸の家」が携わり、古い建物の構造を生かしながらも、染め板やタイル、漆の階段など、ユニークなテクスチャーが共存しています。
 
 企画展は約1年に1度のペースで入れ替わり、その度に全く異なる宿泊空間へと変身。施設全体が展覧会会場となり、食べる、眠る、入浴するといった生活の営みに、するりとアートが入り込んできます。展覧会会場と鑑賞者という境界のない空間では、かしこまってアートを鑑賞するというよりも、生活を続けながらふと目をやるとそこにアートがある、というような感覚。現代アート=難解という先入観を取り払い、日常と隣り合わせにある美しさや驚きこそ、同時代的なアートの楽しみ方なのだと気づくことができます。
 
 朝食は、季節の味覚を日替わりで味わえる宿泊者限定の楽しみ。矢津さんのパートナーである美沙さんが、その日の朝キッチンに立ち、目の前で調理してくれます。ご飯、汁物、季節の献立を少しずつ盛り合わせた和食のほか洋食の朝もあり、美しい盛り付けにほっと心が和みます。
 
 作品の前に立ち、鑑賞して通過していく芸術ではなく、ひと時の時間を共に過ごすことによって心に入り込んでくるアートの存在。旅行も芸術も、日常から少し離れて心を潤す体験という点は共通しています。そこで出会った気づきやメッセージが、また日常に新鮮な視点を与えてくれるに違いありません。「クマグスク」は、そんなアートの役割を、京都ステイという旅の楽しみの一つとして私たちに示してくれます。(画像提供/クマグスク 文/)
 
(文 大橋知沙、画像提供 クマグスク / 朝日新聞デジタル「&TRAVEL」)

【写真】アートと暮らす時間を体験! それぞれの客室にもアートが飾られてある




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