DIY型賃貸で“自分の城” 国推奨の空き家対策 昭和アパートを快適今風に

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DIY型賃貸で“自分の城” 国推奨の空き家対策 昭和アパートを快適今風に
 クギ1本打てなかったアパートが大変身。壁紙やペンキ、タイル、棚などを使って、部屋を自由に改装(リノベーション)できるDIY型賃貸住宅が広がっている。「借家でも自分らしい住まい」を求める今時のニーズに応える一方、大家側にとってもリフォーム負担が低減されたり、長期安定契約が望めたりするなど双方にメリットのある新たな賃貸借のかたちだ。集合住宅の“スラム化”問題が年々深刻化する中、老朽・中古物件の空き家対策として、国も推奨している。(重松明子、写真も)

■弾みつく入居者の新陳代謝

 白地に藍(あい)色の模様が爽やかな壁紙。取り払われた押し入れ脇のコーナーに天板が渡され、明るくモダンな読書スペースが生まれていた。

 JR西荻窪駅(東京都杉並区)徒歩4分の住宅街。昭和50年築、鉄筋コンクリート5階建てアパート「西荻北ホープハウス」の一室だ。「DIY型賃貸」開始をアピールするため10月、改装例を公開するモデルルーム見学会を開いた。

 《「do it yourself」の頭文字を取った「DIY」は「日曜大工」とも呼ばれ、自分で何かを作ったり修理・修繕したりすることを指す》

 「西荻北ホープハウス」は団地風の外観だが、内部の階段がゆったりしているなど、人にやさしい構造。しかし老朽化により、全41戸中13戸が空き家となってしまい、DIY型への転換を決意した。オーナー家の松田康子さん(78)は、見学者の出入りをそっと見つめていた。

 「エレベーターもない低い建物ですが、設計からこだわってつくり、思い出も愛着も深い。ここでお子さんを育てた方、当初からお住まいの方もいらっしゃる。『土地を売ってほしい』との申し出は多いけれど、壊したくないんです。また、にぎやかになってくれたらうれしい」

 そんな康子さんの思いを受け継ぐように、入居者の新陳代謝には弾みがついている。

 8月末に入居した佐藤香苗さん(43)は、「古いけどいい感じのアパート。これからどう手を入れようか」と声を弾ませた。ともにイラストレーターの北原明日香さん(35)らとシェアオフィスとして使っており、壁に打ち付けた木の棚は「ただでもらったワイン箱」。方眼紙柄の壁紙を貼って仕事部屋のムードを演出…。「個性的な雑貨や骨董(こっとう)店が点在するなど、西荻窪は面白い街。日々愛着が深まるこの部屋で、いろんな人と交流してゆきたい」

 2人は笑顔を見合わせた。

■近江商人の経営哲学「三方よし」

 同物件を仲介する「リベスト」によると、見学会から1カ月以内に30~40代の単身者や夫婦3組が新たに入居を決めたという。「壁紙が選べる賃貸も人気があり、より自由なDIY型に発展している。工夫次第で、割安な家賃でワンランク上の特別な空間が作れるのが魅力」と同社。

 モデルルームを手がけた地元のリノベーション会社「夏水組(なつみくみ)」の坂田夏水社長(37)は、「西荻窪らしい昭和のビンテージ物件。スクラップ・アンド・ビルドではなく、古い建物の良さを生かして快適に暮らすためのDIYを提案し、相談にも乗っていきたい。できるところから手を入れて、楽しんでください」。

 壁10平方メートルの改装の場合、壁紙でもペンキでも5千~1万円の予算が目安となる。

 国土交通省によると、国内の空き家総数(公営住宅を除く)は平成15年の659万戸から25年には820万戸に増加。空き家が犯罪の温床になったり、管理不能に陥るなど、集合住宅のスラム化問題は深刻さを増すばかりだ。

 そんな空き家対策のひとつとして同省は昨年、ガイドブック「DIY型賃貸借のすすめ」を作成。メリットや契約時の注意点などをまとめた。改装の範囲や原状回復責任の有無などの明確な合意がDIY型の大前提。トラブルを未然に防ぐ観点から、契約書のひな型をホームページでも公開している。

 賃貸でも“自分の城”が持てる仕組み。貸し手と借り手に利をもたらし、社会貢献にもつながるならば、これはまさに近江商人の経営哲学「三方よし」そのもの!?




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